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2026/06/30

相続した山林がどこにあるか分からない|場所の特定から始める3ステップ

相続した山林、どこにあるか分からない——「山の場所が特定できない」を最初に解く

「親から山を相続したけれど、どこにあるのか分からない」。八ヶ岳西麓(茅野市・原村・富士見町)で山林の相続相談を受けると、最初に出てくるのがこの一言です。登記簿に地番は載っている。固定資産税も毎年払っている。でも、その地番がどの斜面のどこを指すのか、現地に立っても分からない。これは特別なことではなく、相続山林ではごく普通に起きています。この記事では、場所すら分からない山を、何から手をつければいいのかを順に整理します。

相続した山林の場所が分からないのは、なぜですか?

山林は宅地と違い、現地に境界の目印がほとんど残っていないからです。 宅地ならブロック塀や境界杭で隣との線が見えますが、山林は木と斜面が続くだけで、地番と現地が一対一で結びつきません。

加えて、山林の地番は明治期の地租改正のころに引かれたものが多く、当時の測量は現在のように精密ではありません。公図(法務局の図面)を見ても、実際の谷や尾根とずれていることが珍しくない。先代・先々代が「あのあたりが家の山だ」と口で伝えてきただけで、図面と現地を突き合わせた人が誰もいないまま相続が重なる——これが「場所が分からない」の正体です。

何から手をつければいいですか?

まず手元の書類で「地番」を確定し、次にその地番を地図に落とす。この二段階が出発点です。 いきなり山に入って探すのではありません。

具体的には、次の順序で進めます。

  • 権利証または登記識別情報を探す。相続した不動産の地番・地目・面積がここに載っています。見当たらなければ、市役所から届く固定資産税の課税明細書でも地番は確認できます。
  • 法務局で登記簿(登記事項証明書)と公図を取得する。地番が分かれば、その土地が今どういう状態で登記されているか、隣にどんな地番があるかが読めます。
  • 公図と森林計画図・地理院地図を重ねる。公図だけでは現地の見当がつかないため、長野県の森林計画図や国土地理院の地形図と照らし合わせ、おおよその位置をあたりづけます。

ここまでが「机の上でできること」です。多くの方は、この段階で「自分の山はだいたいこのあたり」というところまでたどり着けます。

それでも現地で特定できないときは?

机上で位置をあたりづけたうえで、地元で土地の履歴を知る人と一緒に現地を歩くのが、最も確実です。 図面と現地のずれは、その土地を長年見てきた人の記憶でしか埋まらない部分があります。

八ヶ岳西麓では、山林の多くが財産区有林や入会林と隣り合っていたり、林道の付け方が古い慣行のままだったりします。図面の線をなぞるだけでは、どこからが自分の山でどこからが区の山か判断できないことがある。こういう土地は、隣接所有者や区の役員に立ち会ってもらいながら、現況を一つずつ確認していく作業になります。

朝倉所見

実際に現地へ入ってみると、書類の地番と現地の感覚が合うかどうかは、斜面に立った瞬間にだいたい見当がつきます。沢の入り方、尾根の走り、日の当たり方——こうした地形の特徴は図面には出てきませんが、その土地を扱ってきた者には手がかりになります。私は地価公示や相続税路線価の評価で諏訪地域の土地を長く見てきましたが、山林の場所特定は数字の前段階の、もっと泥臭い作業です。だからこそ、現地を知らない遠方の会社では引き受けづらく、ここを引き受けられること自体が私たちの役割だと考えています。場所が分からないという段階のご相談こそ、遠慮なく持ち込んでいただきたいところです。

場所が分かったあと、放置するとどうなりますか

山の場所が特定できたら、次は「このまま持ち続けるか、手放すか」の判断になります。ここで知っておきたいのは、山林にも冬と地縁の現実があるということです。雪の重みで枝が折れて林道をふさぐ、隣地との境界の立会いを求められる、区の山林管理の人手として声がかかる——遠方に住んでいても、所有しているかぎりこうした連絡は届きます。放置すれば、固定資産税の負担だけが続き、いざ手放そうとしたときに境界も状態も分からず動けない、という状態に陥りがちです。

逆に言えば、場所と境界がはっきりしている山は、それだけで次の一手が打ちやすくなります。当社のような自社買取・再生を手がける会社にとっても、状態が読める山は引き受けやすい。だからこそ、まずは「自分の山がどこにあるか」をはっきりさせることが、すべての出発点になります。


相続した山林の場所が分からないという段階のご相談は、八ヶ岳西麓の山林に特化した八ヶ岳山林ナビ(yatsugatake-sanrin.com)へお気軽にどうぞ。場所の特定から境界、その先の活用・売却まで、一気通貫でご一緒します。

この記事を書いた人

朝倉 宏典

朝倉 宏典

八ヶ岳ライフ株式会社 代表 /
不動産鑑定士

長野県茅野市出身。2012年に地元密着の不動産会社「八ヶ岳ライフ」を設立。不動産の適正価値を見極める国家資格「不動産鑑定士」を保有し、年間300件以上の相談実績を持つ。八ヶ岳エリア(茅野市・原村)の山林売却・買取に特化し、他社では取り扱いが難しい山林や放置物件の再生・買取も積極的に行う。「不動産から地域貢献」を掲げ、専門的知見と地元出身者ならではのネットワークを活かした透明性の高い取引を信条としている。Youtubeでは八ヶ岳の不動産(相続した空き家、土地、山林、畑、別荘)についての役立つ情報を発信中。

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